80's年上京中、
ある週末5人で、ディスコに。
慣れない僕は隅っこで踊り、大人ぶってフリードリンクを飲むのが、楽しかった。
上手く踊っている人を見ては真似た。
一とう最初から、
とても気になる二人組に声を掛けた。
酔ってなんか無いし、その場の雰囲気任せではない。
直感だ。
とても可愛いい…ソバージュヘアが似合う素敵な彼女だ。
兎に角話をしたくてドリンクを取りに行く。
えーもう何処にもいない?この席にいたのに。
1人店を出て、必死で探し回った。
うわー!良かった、いた。
「ここまで追っかけてごめん」と無理やりに、
マッチ箱の裏に書いた電話番号を渡した。
躊躇しなく彼女もナンバーを教えてくれ
「さようなら〜」と。
「私達、
電車で帰るからね〜」と、小走りに行く。
ナンパされるのに慣れてるらしく、
うまくかわされた。
嘘の番号だと思いつつ4日後、電話した。
本当にコールしてる、
アッ…彼女の声。
ドキドキがとまらない。
ときめいた。
嬉しくて、海を眺めるドライブを約束。
次は、2人で踊る約束。
半年間いつも終電に乗せる為、
急かされ走る。
「わざと間違えたでしょ…コウ!突き当たりじゃん、」
「ち、違うさ。」
繋いでいた手を後ろに、右腕を背中にした…
「…本当本気さ…」
路地裏が始まりのKISS…
今日のプロポーズ2回目も生返事。
囁くように語ったね。
信号で赤。
「さようなら…」
こぼれる涙をかくそうと無理やり降りた。
戸惑いながらアクセル。
「全て受け入れる!気にしない!君と一緒なら大丈夫!何で!」
知ってるくせにと車を走らせた。
交差点を曲る。「はぁ〜 じゅ…渋滞。」
ルームミラーを確認する気もない。
遠くなのでフェンダーミラーでも、
雨で見えない。
「ぇ…え」
途中でヒールを脱ぎ捨て、追っかけてきてる?
土砂降りになった雨の中。
ハザーロランプで止まった。
後車のクラクションが鳴り響くも、前に立ちすくみボンネットを叩く。
「コウのお嫁さんになるから。ずーっとそばにいて」と叫んだ。
叩きつけている雨。
ずぶ濡れな身体と、涙でくしゃくしゃな顔。
抱きしめて乗せた。
何も言えずに海へ。
息が出来ないくらい抱きしめた。
もう離れないと誓った。
仕事が終わると、
必ず浜にドライブ。
潮風に悲しげな横顔を気付かれると、こちらをみて微笑む。
その仕草も、はっきり覚えている。
もう貴女に夢中になっているのがわかった。
週末はディスコに明け暮れた。
このままで居たい。
しばらくして、
僕の愛を認め、親御さんも了承して婚約した。
アクアマリンの婚約指輪より、
ボルトのナットを削って作った指輪を喜んでくれたね。
同棲し、
将来に夢を見てる。
3ヶ月過ぎた君の誕生日。
帰宅すると置き手紙、
dearコウ…
10歳上だからね…
やっぱ…無理…
母が育てている子も小学生になるんだ、
コウ…
一目惚れしたのは私だよ。
これ、最後の秘密。
コウ…
大好きだから…絶対だから…
迷惑かけて…ごめん
コウ…
ステップまだ1人で踊れないけど大丈夫かな…
崩れ堕ちた。
ドラマのような物語。
お辛いとは思いますが、二人の出会い、そして一緒に過ごしてきた時間には、きっと意味があるはずです。
いつかきっと、この辛い時期も懐かしく思う日が来ます。
それまでは思いっきり泣きながら、自分のペースゆっくりで進んでください。